車の買取価格を知るためには実際に査定してもらうのが最も確実な方法ですが、「匿名で愛車の買取価格の相場が知りたい」「個人情報を入力せずに愛車の買取価格は分からないものか」と考える人は多いです。

なぜ、このように考えるのでしょうか。それは、「実際に査定してもらったら車を売らなくてはならなくなるのではないか」「新しい車の購入代金の足しにしたいが、いくらぐらいで売れるのか先に知りたい」「車を売るか売らないかの判断は売り値を見てから考えたい」といった理由によるものです。

私自身、同じようなことを思ったことがあるので気持ちは分かります。実際に車を売る前におおよその買取価格を知りたいだけという場合、個人情報不要で買取価格を知る方法が必要になります。なぜなら、個人情報を入力するということは、査定の問い合わせが来て実際に車を売ることに繋がってしまうからです。

もちろん、実際に査定を受けたからといって車を売らなければならないわけではありません。しかし、査定業者も査定をする以上はあなたの愛車を買い取ろうと必死に営業してきます。

あなたが営業トークをかわすことのできる精神力を持っているのなら問題はありません。しかし、たいていの場合は押し切られて車を売ることになるか、車の売却を断るのに精神的に擦り減るかのどちらかです。

こうしたことから、実際に車を売るつもりがないのなら、査定を受けるのはやめたほうがいいです。それでは、「車を売るかはまだ決めてないが、だいたいの買取価格を知りたいだけ」という場合はどうしたらいいのでしょうか。

今回は、こうした要望に応えて「匿名、個人情報不要で愛車の買取相場価格を知る方法」について、私の知人で元中古買取店オーナーの方にインタビューをしました。その結果、3種類の方法を教えて頂き、うち一つは非常に精度の高い中古車の買取相場予測法だったので紹介します。

車の買取相場価格を匿名で知る方法は複数存在する

前述の通り、愛車の買取相場価格を知る方法は大きく分けて3つ存在します。今回は、私の友人が実際に売った車のデータを元にそれぞれの方法で買取価格を予測し、実際に売却した価格と比べていきます。

友人が売却した車のデータは以下の通りです。

車名: ホンダ トルネオ ユーロR

型式: GH-CL1

年式: 2001年式

走行距離: 10.2万km

グレード: ユーロR

ボディーカラー: シグネットシルバー

実際に売却した価格: 31万円(税込)

売却方法: 一括見積もり査定を利用して中古車買取業者に売却

備考: サスペンション交換やホイール交換など、改造箇所あり

自動車メーカーの下取りシミュレーションを利用する

最初に紹介する方法は、「自動車メーカーの下取りシミュレーション」の利用です。これは、新車を購入する際にいま乗っている車を下取りに出したら査定額がいくらになるかを予測するものです。

こうしたシミュレーションサイトを設けているメーカーは、「トヨタ」と「日産」の2社です。査定額のシミュレーターとしては有名なので、利用されたことがあるかもしれません。

結論から先に言えば、こうした自動車メーカーの下取りシミュレーションは買取価格の予測精度が非常に悪いです。中古車の買取価格を決める上で最も重要な「走行距離」を入力する欄がないため、どうしても参考価格が曖昧になってしまいます。

当然のことですが、グレードや年式などが同じであっても走行距離が3万kmの車と10万kmの車では全く査定額が違ってきます。

また、ボディーカラーを選択する項目もありません。ボディーカラーによっても査定額は変わるので、これも参考価格を曖昧にする原因です。

こうした事情があるのでわざわざ利用する必要はあまりないですが、今回は検証の意味も込めて紹介します。

トヨタの下取りシミュレーションの場合:

トヨタの「下取り参考価格情報」というサイトにアクセスすると、以下の画面が出ます。

出典:トヨタ

年式やグレードなどを入力し、上記の条件で検索した結果が以下です。

出典:トヨタ

今回の結果は4万円と、実際に売却した価格より27万円も低い買取予想価格が出ました。買取に比べて下取りのほうが買取価格が低い傾向にあるとはいえ、これでは差が大きすぎて全く参考になりません。

日産の下取りシミュレーションの場合:

次は、日産の「下取り参考価格シミュレーション」を利用して買取価格を予測します。

出典:日産

先ほど同じ手順でメーカーやグレード、年式などを入力します。

出典:日産

残念ながら、日産の下取りシミュレーションには「トルネオ」の参考価格データがないようです。

この他の車種も試しにトヨタと日産の下取りシミュレーションの両方で入力してみましたが、実際につくであろう売り値と明らかにかけ離れた数値が算出されたり、車種によっては「トルネオ」と同じく参考データが存在しないという結果が出たりしました。

買取価格の予測精度が低いだけでなく、参考価格が分からないこともあるので、やはり自動車メーカーの下取りシミュレーションの利用はおすすめできないという検証結果になりました。

過去の買取実績から買取価格を割り出す

次に紹介する方法は、「Goo買取 買取相場検索」や「みんカラ買取相場」など中古車買取業者が運営する買取相場予測シミュレーションを利用する方法です。

自動車メーカーのものに比べると、中古車買取業者が運営するシミュレーターのほうが買取相場価格の予測精度が高いです。こうしたシミュレーションサイトはいくつか存在しますが、今回はその中でも予測精度が高い「みんカラ買取相場」を使用して買取価格を割り出していきます。

サイトを開くと、以下の画面が表示されます。画面を下までスクロールし、「買取情報を調べる」の項目から愛車のメーカーを選択します。

出典:みんカラ

メーカーを選択すると、車種を選択する画面に移行します。この中から、自分の愛車と同じ車種を選択します。今回は「トルネオ」を検索したいので、赤枠で囲ったところをクリックします。

出典:みんカラ

車種を選択すると、過去に買取をした価格が表示されます。あなたの愛車に近いグレード、年式、走行距離のデータを参考に見ると、過去にいくらで買い取られたのかを知ることができます。

出典:みんカラ

「トルネオ」は流通数の少ない車種なのでデータが2件しかありませんでしたが、どちらも自動車メーカーの下取りシミュレーションよりは実際に売却した価格に近くなりました。とはいえ、差額は15万円(16万円と比較)なのであまり予測精度が高いとはいえない結果となりました。

参考データが多いほどデータの正確さが増すので、流通数の多い車であれば実際の買取価格に近くなります。逆に、流通数が少なく参考データが少ない車は実際の買取価格とのズレが大きくなってしまうので、買取価格は参考程度に考えましょう。

中古車の販売価格から愛車の買取査定額を推測する

冒頭で述べた「非常に精度の高い中古車の買取相場予測法」とは、この方法のことです。ここまで紹介した方法とは違い、買取価格を割り出すのに少々手間はかかりますが、その代わりに予測精度は最も高いです。手順ごとに段階を踏んで説明していきます。

①中古車の中から愛車に近い個体を探し出す

まず最初に、販売されている中古車の中からあなたの愛車になるべく近い条件(年式やグレード、走行距離など)の車を探し出す必要があります。今回は「カーセンサー」を利用して話を進めていきます。

トップページでメーカーを選択し、次に車種を選択します。車種を選択し終えると以下のような画面に移行するので、グレードや走行距離、ボディーカラーなど愛車と同じデータを入力して絞り込みます。

※中古車の流通数が少ない車種の場合、あまり絞り込みすぎると検索がヒットしなくなることがあります。そういった場合は条件を緩めて(例:ボディーカラーを指定しない)ヒット数を増やし、その中からなるべく近いものを選択してください。

出典:カーセンサー

今回は、以下の車が最も条件の近い車でした。年式は1年古いですが、走行距離が近く(4千km差)ボディーカラーも一緒です。また、若干改造されている(社外ホイール・社外マフラー装着)ところもよく似ています。

出典:カーセンサー

このような手順で自分の愛車と近い車を見つけ出したら、本体価格(赤枠)を確認しましょう。これで、自分の愛車を中古車として販売したらいくらになるのかが分かりました。今回の「トルネオ ユーロR」では、約50万円です。

②中古車の流通ルートをさかのぼって逆算する

中古車としていくらで販売されているのかが分かれば、あとは逆算すれば買取価格が割り出されます。逆算するためには、中古車がどのような流れで販売されるのかを知る必要があります。

上の図は、売却した中古車が販売されるまでの流れを示したものです。中古車が買い取られてから販売されるまでの間に、これだけの手数料が上乗せされていることに驚いた人もいるのではないでしょうか。買取価格から順に、手数料の内訳を詳しく説明していきます。

①買取業者の利益

売却した中古車に上乗せされる最初の金額は、車を買い取った業者の利益分です。利益をどの程度確保するのかは買取業者によりますが、買取価格のおよそ10~15%が利益分として上乗せされます。

②オークションの手数料

買取業者が買い取った中古車は、「オートオークション」という中古車のオークションに出品されます。このとき、出品手数料として3~5万円が上乗せされます。

③販売業者の利益

中古車販売店がオートオークションで車を仕入れてきた後、利益として仕入価格の15~20%を上乗せします。これは、中古車に上乗せされる金額の中で最も大きな割合を占めます。

④販売時に課税される消費税

最後に上乗せされる金額は、消費税です。中古車として売りに出す際に、消費税が課税されます。車は高価な商品であるため課税額が高く、さらに販売価格が高くなります。

実際に買取価格を割り出すとどうなるか

それでは、「トルネオユーロR」の中古車販売価格を50万円として、買取予想価格はいくらになるのか計算していきましょう。

※今回は小数点第二位以下を切り捨てて計算しています。

※販売業者の利益を20%として計算する場合、×0.8で計算してください

※買取業者の利益を15%として計算する場合、×0.85で計算してください

①中古車販売価格を税抜きにする 50÷1.08=46.2

②中古車販売業者の利益を引く(今回は利益15%として計算)46.2×0.85=39.2

③オークション手数料を引く(3~5万円なので間をとって4万円を引く)39.2-4=35.2

④中古車買取業者の利益を引く(今回は利益10%として計算)35.2×0.9=31.6

買取予想価格=31.6万円

結果は31.6万円と、実際の売却価格31万円と非常に近い数値が割り出されました。今回は偶然にも完璧な結果がでましたが、買取予想価格から±5万円ぐらいは誤差の範囲としてみてください。

ちなみに、今回は買取・販売の両業者とも利益の最低ラインで計算しましたが、利益を最高ラインで計算(販売業者20%、買取業者15%)すると27.9万円という結果になります。それでも実売価格との差が3.1万円なので、かなり予測精度は高いといえます。

以上が、「非常に精度の高い中古車の買取相場予測法」です。元中古車販売店のオーナーから教えて頂いただけに、買取価格の予測精度は非常に高いレベルであることが証明されました。

なお、実際に中古車買取価格を計算する際は以下の式に当てはめて計算すると便利です。

aの値に中古車販売価格を代入してください
最低見積もり

a÷1.08=b

b×0.8=c

c-4=d

d×0.85=x

最高見積もり

a÷1.08=b

b×0.85=c

c-4=d

d×0.9=y

式を整理すると以下の形になります
{(a÷1.08)×0.8−4}×0.85=x {(a÷1.08)×0.85−4}×0.9=y
 買取価格予想:x~y万円

予想どうりに売却する場合

ここで1つ、注意しなければならないことがあります。それは、「買取予想価格はベストな方法で車を売った場合の金額である」ということです。つまり、上手く高額査定を引き出さないと買取予想価格通りの額で愛車を売却することはできないということです。

実際、今回紹介した「トルネオ」をディーラー下取りに出したところ、下取り査定額は10万円にしかなりませんでした。結果的には予想価格とほぼ同じ31万円で売却できましたが、これは高額査定を引き出したからこその結果です。

では、どのようにして高額査定を引き出せばいいかというと、買取業者同士に競合させる必要があります。1社のみの査定だと競争相手がいないため、利益を確保するために低い買取査定額を提示してくる可能性が高いからです。

一方、競合他社がいれば利益を多めに確保する余裕はなくなります。低い買取査定額を提示していてはライバル会社に買い取られてしまうからです。複数の買取業者から査定を受けることで、勝手に業者同士が競い合ってくれます。「トルネオ」を売却したときも、5社から査定を受けて業者同士を競合させました。

ちなみに、「複数の買取業者から査定を受けるのは面倒」という場合はインターネット上で一括見積もり査定に申し込むと手間が省けて便利です。入力フォームに愛車の情報を一度入力するだけで、多くの買取業者からネット上で見積もり査定を受けることができます。

まとめ

今回は、「買取相場価格を匿名で検索する方法」について述べてきました。しっかりと逆算すれば現実的な買取価格を予想することができるということが理解頂けたと思います。

買取価格を逆算するときは、今回紹介した計算式を使って正確な買取予想価格を割り出してください。実際に車を売却する前に買取価格が分かることで、今後のカーライフ計画が立てやすくなるでしょう。

匿名で得た価格を参考にして、愛車を売却したい場合はインターネットの一括見積もり査定を利用して高額査定を引き出しましょう。


私が車を買い替えるとき、必ず行うことは一括査定によるネットからの一括見積もりです。一社だけでなく、何社もの見積もりを競争させることで中古車の下取り価格が高額になるからです。

一社だけの見積もりに比べて、複数の見積もり査定をすることで車の買取額が15~30万円ほどアップするのは普通です。

ちなみに、私が一括見積もりしたときは買取額が41万円も上がったことがあります。ネット見積もりの方法を他の人に伝えたところ、「3社から依頼があり、競争させたら買取額が14万円も上がった」「ディーラーからの下取り価格よりも23万円高くなった」など喜ばれるようになった経緯があります。

特にカービューを使えば、登録3分で最大8社へ一括見積もりを依頼することができます。あなたの自宅(または事務所)まで出向いてくれるため、わざわざ車を購入したディーラーのもとに出向くことなく見積もり依頼を出すことができます。

登録無料のネット一括見積もりを活用することが愛車を高額で売る最も確実な方法です。