輸入車といえば、高級なイメージを浮かべる人が多いでしょう。実際、同クラスの車を比較すると、たいていの場合は輸入車のほうが高価です。

購入するときは高額な輸入車ですが、売却時になると急に値下がりすることを知っているでしょうか。「輸入車は購入した瞬間に価値が半減する」と言われることもあるほどです。さすがにこれは極端ですが、国産車に比べて値下がり率が大きいことは事実です。

ステータス性が高く人気があるので高値で売れそうに思える輸入車ですが、なぜ売却時になると激しく値下がりしてしまうのでしょうか。また、高値で売る方法はないのでしょうか。

実は、輸入車は売り方次第で買取価格が大きく変わります。基本的には安く買い叩かれることの多い輸入車ですが、売り方が良ければ高価買取を実現することもできるのです。

今回は、「なぜ、輸入車は売却時に激しく値下がりするのか」を解説した後、「輸入車を高値で売るための方法」について紹介していきます。

なぜ、輸入車は売却時に激しく値下がりするのか

冒頭でも述べたように、輸入車の値下がり率が大きいのは事実です。では、なぜ元値(新車価格)が高くて人気もありそうな輸入車が高値で売れないのでしょうか。その原因について、以下で解説していきます。

国産車に比べると流通数が少なく売りにくい

まず、輸入車が高く売れない最たる理由として流通台数が少ないことが挙げられます。「国産車に比べたら少ないかもしれないけど、それなりに輸入車を見かけるけど?」と思う人もいるでしょう。私も、BMWやアウディ、ベンツといった有名どころの輸入車はよく見かける印象があります。

しかし、それは輸入車が目立つから印象に残るというだけで、実際に流通している台数は少ないのです。あなたの知人や友人が乗っている車を思い浮かべてみてください。恐らく、多くの人は国産車に乗っているのではないでしょうか。

では、国産車と輸入車の流通台数にどのくらい差があるのかというと、以下の通りです。

参考元:自動車検査登録情報協会「わが国の自動車保有動向(2016)」

これを見ても分かる通り、輸入車の流通台数は全体の1割にも満たないです。言い換えれば、輸入車の需要は全体の1割程度だということです。

要するに、輸入車は国産車に比べて売れにくいのです。車は年数が経つほど価値が下がっていくので、売れにくい(需要が低い)車を買い取るのはリスクが伴います。もし、売れ残ってしまったら販売価格を下げざるを得ないので損をするからです。

売れ残って安く売り出すことになる可能性を考慮すると、マージンを確保するためには仕入れ価格(買取価格)を安くするしかありません。これが、輸入車が売却時に激しく値下がりする大きな原因です。

車検代が高い(部品の交換費や修理費が高い)

上記の理由だけでなく、「輸入車は車検代が高くつく」という問題があります。車検の際に部品交換が必要な場合、国産車に比べて非常に高額な修理費用を提示されるのです。

輸入車の中でも高級な部類に入る車種だと、30~50万円の修理費が車検時に提示されることもあります。実は、やり方次第で安く済ませることもできるのですが、このようなことから一般的には「輸入車は壊れると高くつく」という風に認識されています。

この他に、「輸入車は壊れやすい」というイメージも持たれています。実際にはそう簡単に故障することはありませんが、昔の輸入車が壊れやすかったためか悪いイメージが払拭できずにいます。ただ、改善されているとはいえ、国産車の頑丈さには敵いません。

私が以前レンタカー屋に勤めていた頃、やたらとハンドルの重いBMWがありました。上司から修理に出すように言われ修理工場まで持っていくと、修理工場の人から「またBMWかー、パワステ(パワーステアリング:ハンドルを切る力を低減させる装置)がよく壊れるんだよね」と言われたことがあります。

国産車のレンタカーではこうしたトラブルがなかったので、「改善されているとはいっても、やっぱり国産車の耐久性には敵わないんだな」と思いました。

「壊れやすい上に壊れると高くつく」というイメージがあるため、中古の輸入車は売れにくいのが現状です。先ほど述べたように、売れにくいとそれだけ買取価格が低くなってしまいます。

車両価格が高いほど値下がり率が大きくなる

輸入車に限らず高級な車は全て当てはまりますが、元々の販売価格が高い車であるほど値落ちのペースが早くなります。車の価値は時間とともに割合で減少していくので、販売価格が高い車のほうが1年あたりの減価率は高くなります。

新車購入時から3年経過した車を例に挙げると、価値は3年間で元値の60%まで下がります。これを当てはめて計算すると、以下のような結果になります。

新車価格が200万円の車の場合:

200万円の60%なので価値は120万円(200×0.6=120)。3年間で下がった価値は80万円分

新車価格が400万円の車の場合:

400万円の60%なので価値は240万円(400×0.6=240)。3年間で下がった価値は160万円分

このように、もともとの購入価格が高い車であるほど1年あたりに下がる価値が大きくなります。輸入車の多くは国産車に比べて高価であるため、値下がり率が大きく損をしたような印象を受けるのです。

それに加えて、売りづらいこともあって輸入車は国産車に比べて値下がり率が大きいです。これも、「輸入車は値落ちが激しい」というイメージを強調する原因となっています。

国産車と輸入車の値下がり率はどれほど違うのか

ここまでの解説を通して、輸入車が大きく値下がりしてしまう理由が分かりました。それでは、実際に国産車と輸入車を比べるとどのくらい値下がり率に差ができるのでしょうか。

同じクラス(同価格帯)の車種で比較しないと結果が分かりづらいため、今回は輸入車の「BMW3シリーズ」と国産車の対抗馬「レクサス IS」の買取価格を比較していきます。

例として、平成26年式、走行距離3万kmを条件に買取相場価格を比較してみましょう。

・レクサス IS

出典:みんカラ買取相場

・BMW3シリーズ

出典:みんカラ買取相場

※これは該当車種の全グレードの買取相場価格を平均化したデータなので、グレードによって買取価格は変動します。

同クラスで価格帯も近い2車種ですが、26年式・3万kmではほぼ同じ買取相場価格となりました。これを1つの基準として、年式・走行距離を増やすとどのような結果になるか見ていきましょう。

平成22年式、走行距離7万kmの中古車相場価格が以下になります。

・レクサス IS

出典:みんカラ買取相場

・BMW3シリーズ

出典:みんカラ買取相場

22年式・7万kmになると、レクサスとBMWの買取相場価格に大きな差が開きました。差額は42.3万円と、先ほどの結果とは異なり輸入車の買取相場価格が下落しています。実際に検証してみた結果からも、輸入車は値下がりが激しいことが確かだと分かります。

ここで1つ気になることがあります。それは、「具体的にはいつ頃から値下がりするのか?」という点です。そこで次は、輸入車と国産車の買取相場価格がどのような推移をたどっていくのか詳しく見ていきます。

輸入車と国産車の買取相場価格の推移

「BMW 3シリーズ」と「レクサス IS」の1年ごとの買取相場を、平成26年式・3万km~22年式・7万kmまで調べグラフにしたものが以下です。

※縦の数値は買取価格(万円)

1年ごとの買取相場価格をグラフすると、輸入車と国産車の値下がり率の違いが明らかになります。国産車のレクサスが緩やかに値落ちしているのに対して、輸入車のBMWは相場価格の下がり方が急激です。

ちなみに、BMWが24年から23年にかけて特に急に値下がりするのは、モデルチェンジの影響があると推測されます。「BMW 3シリーズ」は2012年(平成24年)にフルモデルチェンジを行っています。

対するレクサスも、2013年(平成25年)にフルモデルチェンジを行っていますが、こちらは特に激しい値下がりの原因とはなっていないようです。

国産車でもモデルチェンジ後は査定額が下がりますが、輸入車は特にその傾向が強いようです。そのため、輸入車は特にモデルチェンジする前に車を売ることを意識する必要があります。

なお、モデルチェンジの情報は車雑誌やインターネットで入手できます。車雑誌は数多くありますが、その中で私がおすすめするのは「ベストカー」です(毎月26日発売)。ベストカーはインターネット上でも閲覧できます。

車雑誌「ベストカー」でのモデルチェンジ予想

レクサスとBMWだけでなく、「フォルクスワーゲン ポロ」と国産車で同価格帯の「マツダ アクセラ」も検証しました。クラス的には「マツダ デミオ」のほうが近いですが、新車価格の近い車種でないと比較にならないので今回はアクセラを比較対象として採用します。

※縦の数値は買取価格(万円)

グラフを作る前は「国産車のアクセラのほうが買取相場が高いだろう」と思っていましたが、意外にも輸入車のポロが常に高い買取相場価格を示しています。

※全グレードの買取相場を平均化したデータなので、ポロのほうが新車価格の平均が高い可能性はあります。

また、先ほどの「BMW 3シリーズ」とは違い、年数・走行距離が経過しても激しく値下がりすることはありません。輸入車と一口に言っても、車種によってはこうした値下がりしにくいモデルも存在することが確認できました。

ここまでの内容をまとめると、以下のようなことがいえます。

・国産車が一定のペースで値下がりするのに対して、輸入車は年を増すごとに値下げのペースが早くなる傾向にある

・輸入車はモデルチェンジによっても大きく値下がりする可能性があるため、モデルチェンジ前に売ってしまったほうが得策

・輸入車の中にも、値下がり率が国産車とそれほど変わらない車種がある

輸入車を高値で売るための方法

ここまで、「輸入車の値下がりが激しい理由」と「輸入車と国産車の値下がり率の違い」について解説してきました。なぜ、輸入車が値下がりしてしまうのか、国産車に比べてどのくらい値下がりするのかが理解頂けたと思います。

あなたの愛車が「フォルクスワーゲン ポロ」のようにあまり値下がりしない輸入車であれば問題ありませんが、たいていの輸入車は値落ちを避けられません。いずれにしても、できる限り高値で愛車を売却するに越したことはありません。

それでは、どうすれば高価買取を実現できるでしょうか。結論から言えば、輸入車を高く買い取ってくれる可能性が高いのは「新車販売ディーラーの下取り」か「輸入車を専門に扱う中古車買取業者」の2つです。それぞれの特徴について、以下で詳しく解説します。

輸入車を専門に扱う中古車買取業者

中古車買取業者には「ガリバー」や「ビッグモーター」などの大手企業も存在しますが、輸入車を高価買取してもらいたいなら専門の業者が最適です。

「なぜ、輸入車は売却時に激しく値下がりするのか」の項目でも述べたように、輸入車が高値で売れない主な理由は需要の低さによるものです。

しかし、専門の中古車買取業者であれば多くの輸入車好きのユーザーを抱えています。専門店ならではの行き届いた整備、入手に時間のかかる輸入車パーツの在庫や独自の入手ルートの確保、輸入車を熟知したスタッフなど、専門店は輸入車を販売するのに有利な材料が揃っているからです。

「輸入車を購入したいユーザーが集まる=需要が高い」ということになるため、専門店に輸入車を売ることで高額査定を獲得できる可能性が高くなります。

では、輸入車を専門に扱う中古車買取業者はどう探し出せばいいのでしょうか。最も簡単な手段としては、インターネットで「輸入車 買取 地域名」などと入力すれば店舗を検索することができます。

近所の輸入車専門店が把握できたら、実際にその業者から査定を受けてみましょう。このとき、その業者が本当に高価買取をしてるかどうかを知るために、複数の輸入車専門の買取業者から査定を受けるようにしてください。

「専門店だから高価買取は間違いないだろう」と思う気持ちは分かりますが、専門店によっても査定の評価は異なるため、複数の買取業者から査定を受けたほうが確実です。

とはいえ、都内でもない限り都合よく近所に何軒も輸入車専門店は存在しないでしょう。そこで、専門店以外の買取業者も含めて5社ぐらいから見積もり査定を受け、その中で最も高い査定額を提示した業者に愛車を売るようにしましょう。

こうすることで、専門店が高価買取をしなかった場合に損をするリスクを回避できます。本命はもちろん輸入車専門店ですが、保険として普通の中古車買取業者からも査定を受けておくということです。

新車販売ディーラーの下取り

「ディーラー下取りは高価買取が期待できない、中古車買取で車を売ったほうが絶対高く売れる」という意見が多いですが、次の車も同じディーラーで購入する場合は必ずしもそうとは限りません。

なぜなら、「顧客の囲い込み」があるからです。先ほど、「輸入車は流通台数が少ない」と述べましたが、これは言い換えると輸入車ユーザーが少ないということを意味します。

つまり、輸入車ディーラーは顧客を失うことに対してシビアなのです。さらに、輸入車は1台あたりの単価が高い代わりに販売台数が少ないことも顧客の囲い込みに拍車をかけています。

簡単に言えば、月に100台売れる100万円の軽自動車が1台売れなくてもそれほど痛くありませんが、月に10台しか売れない500万円の輸入車が1台売れないのはかなりの痛手だということです。

このような理由から、輸入車販売ディーラーは顧客が他社へ流失しそうだと判断すると高めの下取り額を提示し顧客を囲い込もうとします。ただ、ディーラーが囲い込みをしたいことを利用して高い下取り査定額を提示させるにはコツがあります。

通常、下取り査定というのはディーラー1社のみから受けることが多いですが、これでは高額査定は引き出せません。1社のみの査定では他に競争相手がいないため、囲い込む必要がないからです。そのため、ディーラーの言い値で低い下取り査定額を提示されてしまいます。

「輸入車をディーラー下取りに出したらびっくりするほど安い査定額を提示された!」と言っている人の多くは、査定を1社のみで完結していることが原因です。

囲い込みを利用するためには、上記の「専門店を含む中古車買取業者」から見積もりをとっておくことが重要です。他社の見積もりを見せ、「新車の予算に足したいので(新車を買うという意思表示)、なんとかこれよりも高く下取ってもらえませんか?」という風に交渉すれば効果的です。

ディーラー側からすると、ここで下手に低い下取り額を提示すれば印象が悪くなり、顧客が他社に流れてしまうかもしれません。逆に、頑張って高価買取をすれば「これからもこのディーラーにお世話になるか」と顧客に思ってもらえます。

他社の見積もりを使って交渉することで、よりディーラーに囲い込みを意識させることができます。つまり、高額査定を引き出せます。場合によっては、新車の値引きやオプションの割引などを提案してくることもあります。

なお、「次は別のメーカーの車を購入する」という場合は高額査定が期待できないので、上記の専門店による買取が適しています。下取りでも高価買取が期待できるのは、あくまでも継続して同じディーラーで車を購入する(囲い込みを利用できる)場合に限ります。

交渉して下取り額が上がってもなお、先に査定を受けた中古車買取業者のほうが査定額が高い場合は、最も高い査定額を提示してきた中古車買取業者に車を売却しましょう。

まとめ

今回は、「輸入車が高く売れない理由」と「高額査定の引き出し方」について解説してきました。実際に買取相場を調べて検証しましたが、非常に有用なデータが取れたと思います。新しく気づいたことがあれば、吸収してあなたのカーライフに役立ててください。

輸入車を高く売るための方法について、もう一度手順を確認します。

1:基本的なこと

①まずは地元の輸入車専門店をインターネットなどで探す

②探し出した専門店に加えて、リスク分散のために普通の中古車買取業者からも査定を受ける。このとき、査定を受ける数が4~5社になるのがベスト。インターネットで「一括見積もり査定」に申し込むと自動的に近所の買取業者が割り出せる。また、査定の際は出張査定に来てくれるので一石二鳥

2:「次は別のメーカーの車を購入する」という場合は

②の段階で最高額を提示してきた業者に車を売っても問題ない(もちろん下取りも受けるに越したことはありません)

3:「継続して同じディーラーで車を購入する」という場合は

①複数の中古車買取業者から見積もりをとったら、次の車を購入予定のディーラーで下取り査定を受ける。見積もりを利用して下取りアップの交渉をする

②交渉した結果、下取り額(新車の値引きやオプションの値引きも含む)が見積もりを上回れば下取りで車を売る。下取り額が見積もりを上回らなかった場合は、先に受けた中古車買取業者に車を売る

輸入車が高く売れないのには理由がありますが、それにしても一般的に提示される買取査定額は低すぎます。しかし、流通台数が少なく相場価格が不透明なため、実際の価値よりも安く買い叩かれていることに気づいていない人が多いです。

せっかく愛車を売るのにそれではもったいないので、今回の内容を実践して高額査定を獲得しましょう。


私が車を買い替えるとき、必ず行うことは一括査定によるネットからの一括見積もりです。一社だけでなく、何社もの見積もりを競争させることで中古車の下取り価格が高額になるからです。

一社だけの見積もりに比べて、複数の見積もり査定をすることで車の買取額が15~30万円ほどアップするのは普通です。

ちなみに、私が一括見積もりしたときは買取額が41万円も上がったことがあります。ネット見積もりの方法を他の人に伝えたところ、「3社から依頼があり、競争させたら買取額が14万円も上がった」「ディーラーからの下取り価格よりも23万円高くなった」など喜ばれるようになった経緯があります。

特にカービューを使えば、登録3分で最大8社へ一括見積もりを依頼することができます。あなたの自宅(または事務所)まで出向いてくれるため、わざわざ車を購入したディーラーのもとに出向くことなく見積もり依頼を出すことができます。

登録無料のネット一括見積もりを活用することが愛車を高額で売る最も確実な方法です。