あなたは車内でタバコを吸ったり、ペットを一緒に車に乗せたりすることはあるでしょうか。どちらも行わないのであれば、車内を清掃するだけで問題ありません。ただ、これらの行為を行っているのであれば車内に臭いや汚れがついてしまうことは避けられません。

臭いの原因はさまざまですが、最も大きな原因としては「タバコ臭」が挙げられます。他にも「ペット臭」や「エアコンから発生するカビ臭」「人の体臭」「飲食物をこぼしたことによる悪臭」など原因は多岐にわたります。また、コーヒーやジュースなどをこぼしたことにより、「シミ」がついてしまうこともあります。

普段から乗っている車の臭いには気づきにくいため、愛車の臭いに無頓着な人は多いです。しかし、他人の車に乗ったときに車内の臭いが気になったことはないでしょうか。

実は、あなたが慣れているせいで気づかない車内の臭いは、査定士がチェックをするとすぐにわかってしまいます。もし、あなたが少しでも中古車の買取査定額を上げたいのであれば、車内での喫煙やペットの同乗は控えるべきです。

外装のキズやへこみに比べ、臭いは目に見えないため軽視されがちです。しかし、車内の臭いや汚れは中古車市場において販売が難しくなる原因の1つとされています。なぜなら、多くの人にとって車内の臭いや汚れは我慢することのできないポイントだからです。

外装のキズなどであれば外から見ない限りは気になりません。しかし、車内の臭いや汚れは車に乗っていて常に感じるものであるため嫌う人が多いのです。また、犬や猫のアレルギーを持つ人にとってペットの乗車歴のある車は購入の対象から外れます。

このような理由から、車内に臭いや汚れがついてしまった車は中古車市場での価値が下がるので、中古車販売業者は低価格で販売せざるを得ません。そのため、買取査定額が下がってしまうのです。

では、既に車内に臭いや汚れがついてしまった場合はどのくらい買取査定で減額されるのでしょうか。また、車を清掃することによって減額を防ぐことは可能なのでしょうか。

今回は、「車内の臭いや汚れがどのくらい買取査定額に影響するのか」と「車内の臭いや汚れをとる方法」を解説していきます。

車内の臭いや汚れはどのくらい査定額に響くのか

下の表は、査定の際にチェックされる項目とそれぞれの減額を示したものです。もっとも一般的な日本自動車査定協会の基準では、このように評価が定められています。

車内の状態 減額
ダッシュボードなどの樹脂部分についたスリ傷、タバコの焦げ跡、シールを剥がした跡、シートのへたり、シートのほころび、ネジや接着剤の跡、9センチ未満のシミ 1万円
既に車内クリーニングが施工されている(修理扱い) 1万円
内装に著しい汚れがある(車内クリーニングは別途) 5千円
車内クリーニングが必要 1万円
車内に臭いがついている(悪臭がする) 4万円
天井や内装にタバコのヤニが付着している 6万円
ペットの臭いはないが、毛が付着している 4万円
ペットの臭いがあり、毛も付着している 8万円

タバコの焦げ跡などの内装のダメージは、2センチ以内で1ヵ所であれば減額で済みます。しかし、2センチ以上もしくは2ヵ所以上であると部品の交換が必要となります。例えば、シートを1脚交換する場合2~4万円ほどの減額となります。

これだけの減額があると知ると、車内での喫煙やペットの同乗はやめようと思う人も多いのではないでしょうか。

臭いの評価には明確な基準がない

実は、臭いの評価は査定士の嗅覚次第で決まります。臭いセンサーなどを使い科学的な基準で評価するわけではありません。そのため、臭いや汚れを除去しておくことで評価を下げられずに済む可能性があります。

実際のところ喫煙者がタバコをやめるのは現実的ではないですし、既にペットを乗せてしまっている場合があると思います。そこで、以下で述べるような対策を行ったうえで、車の買取査定を依頼する1週間前は車内での喫煙やペットの同乗をやめるようにしましょう。

車内の臭いや汚れをとる方法

車内の臭いをとるために芳香剤を使用している人をよく見かけます。しかし、芳香剤の使用はやめておいた方がいいです。タバコやペット臭と芳香剤の匂いが混ざり合い、かえって悪臭を放つ可能性があります。

また、シートや天井にファブリーズなどの消臭剤を吹きかける行為もあまり得策とはいえません。臭いの元を洗浄しているわけではないため、時間が経つと臭いが元に戻ってしまいます。

こうした方法では、車内の臭いをとることはできません。そのため、買取査定に出す前に専門の業者に「車内クリーニング」を依頼する人がいます。確かに、車内クリーニングを行うことによって、新車のようにキレイな内装になり、臭いもある程度とることができます。

ただ、車内クリーニングは本格的なコースで施工すると5万円以上かかってしまいます。もし、車内クリーニングをすることによって買取査定額を上げようと考えているのであれば、やめた方がいいです。なぜなら、上の表にもある通り、車内クリーニングを施工すると「修理」とみなされるからです。

車内クリーニングの施工は日本自動車査定協会によって「修理」と定められ、1万円の減額になります。なぜ、車内をキレイにして減額になるのか不思議に思うかもしれません。キレイな車のほうが査定士にとって好印象であることは間違いないはずです。

しかし、問題なのは「車内がキレイなこと」ではなく、「業者にクリーニングを依頼していること」なのです。これは、車内クリーニングをしなければならないほど車内の状態が悪かったと解釈をされるためです。

車内クリーニングは業務用の機械を使用するため、不自然にキレイすぎる箇所が部分的にできてしまいます。そのため、査定士が見れば車内クリーニングをしたことがわかります。しかし、自分で清掃をした場合であれば、そのような跡は残らないため減点の扱いにはなりません。むしろ、自然にキレイな車内は査定士にとって好印象になります。

では、どのようにして車内を清掃すればよいのでしょうか。これから、車内の清掃の方法と手順を解説していきます。

車内の清掃に必要な道具

まず、車内を清掃する際に準備する道具を紹介します。

・掃除機(車の近くに電源がない場合は、粘着ローラーで代用可)。

・布団たたき

・ブラシ(たわしや歯ブラシなど)

・粘着ローラー(コロコロ)

・中性洗剤

・霧吹き(シートなどにシミがない場合は必要ありません)

・マイクロファイバータオル(通常のタオルよりも汚れをとる性能が高い)

これらは掃除機を除いて、全て100円ショップで手に入れることができます。

清掃手順

それでは、どのような手順で清掃を行えばいいのかについて解説していきます。

①車内の荷物をすべて降ろし、ドアやトランクなどを全て開けて換気をしやすくします。次に、フロアマット(足元のマット)を外します。

②全体的に掃除機をかけます。このとき、シートなどの布の部分以外にも、スピードメーターの周りやエアコンの吹き出し口なども掃除機をかけましょう。このとき、掃除機のノズルで樹脂部品を傷つけないように注意してください。なお、掃除機が使えない場合は、この工程を飛ばしてください。

③シートなどの布の部分を布団たたきで叩きます。布団たたきがない場合は、手で叩いてください。叩くことによって、シートの表面と中のスポンジとの間に溜まり固まった汚れが破壊され、取り除きやすくなります。

④先ほど取り外したフロアマット(足元のマット)を掃除します。まず、マットを裏側から叩いて汚れを落としましょう。汚れがある程度落ちたら、洗剤とブラシを使って洗浄します。すすぎ洗いをする際に、柔軟剤を使用するとマットが柔らかい仕上がりになります。

マットの洗浄が終わった後は、完全に乾くまで干しておきます。もし、半乾きのまま車内に戻すと、カビや雑菌が繁殖して悪臭の原因になります。

⑤足元のフロア回りに掃除機をかけていきます。掃除機が使えない場合は、ブラシを使って汚れをかき集めてから粘着ローラーで取り去ってください。また、食べこぼしがある場合は、シートの下側などの見えにくい箇所まで念入りにチェックをし、食べこぼしを取り除いてください。

⑥車内の拭き上げ作業に入ります。まず、洗剤を希釈した水(100mlに対して1滴程度)にマイクロファイバータオルをつけて固く絞ります。次に、このタオルを使用して車内を拭き上げていきます。

このとき、タオルが汚れるのを避けるために、汚れの少ない場所から拭き上げていきましょう。具体的には、車内を上から順に拭き上げていき、最後に汚れのひどいサイドステップ(ドアの下側)などの箇所を拭くようにします。なお、窓ガラスは見た目以上に汚れている場合が多いので、しっかりと拭き上げておきましょう。

以上が基本的な清掃手順になります。しかし、シミやしつこい臭いなどは除去しきれない場合があります。この場合はどのように対処すればよいのでしょうか。

シミや布の汚れの取り方

コーヒーやジュースのシミが残っていると、臭いの原因となることがあります。上記の清掃が済んだら、次はシミを除去していきましょう。

①シミ・汚れの付着したシートやドア付近の布地に洗浄液を吹きかけます。このとき、洗浄液は洗剤を少し濃いめに希釈(100mlに対し3滴程度)したものを霧吹きに入れて使用します。

②洗浄液を吹きかけた場所をブラシでこすります。このとき、あまり強くこすると布地を痛めてしまう恐れがあるので注意してください。

③水で絞ったタオルを使い、汚れと洗剤を吸い取ります。一回で吸い取りきれなかった場合、再度水ですすいで繰り返し吸い取ってください。

④吸い取り作業後にシミや汚れがとりきれていない場合は、①の工程から繰り返してください。

以上がシミや汚れを落とす手順になります。ここまでの作業をすれば車内はかなりキレイになっているはずです。しかし、エアコンをつけたときに嫌な臭いがする場合は、上記の作業に加えてエアコンの清掃を行う必要があります。

エアコンの清掃方法

車内の臭いの原因として、エアコンから発生する臭いはかなりの割合を占めます。エアコンを清掃することにより、車内の嫌な臭いが劇的に改善することも珍しくありません。

車のエアコンで清掃するべき箇所は2つあります。まず1つ目は、エアコンのフィルターです。ただ、車種によっては、フィルターが標準装備されていないことがあります。

フィルターが装備されていない場合は、掃除できる箇所が「エバポレーター」のみになるため、後述するエバポレーターの清掃を行ってください。

フィルターが装備されている場合は、フィルターの交換だけで臭いを除去できる可能性があります。フィルターの交換は簡単にできるため、機械的知識のあまりない人でも十分に作業が可能です。

エアコンのフィルターを交換するにあたって、まずはフィルターが車のどこに装着されているのかを確認する必要があります。ちなみに、ほとんどの車種はグローブボックスの中にフィルターがあります。

フィルターの位置がわからない場合は整備手帳(取扱説明書)で確認することができます。また、フィルターの位置が分からず整備手帳が見当たらない場合は、「車種名 エアコンフィルター 交換」などで検索するとフィルターの位置を確認することができます。

エアコンフィルターの交換作業

今回は私の愛車である「ホンダ ライフ」を例に作業をしますが、他の車種であってもほぼ同様の手順でフィルターの交換が可能です。ただ、一部の車種では脱着作業が難しい場合があります。作業が困難だと感じた場合、交換作業をせずにそのままの状態で査買取査定に出してください。

エアコンフィルターの位置

上の写真で、指している場所がエアコンフィルターの位置です。ここをグローブボックスといい、その付近にフィルターがあります。

エアコンフィルター

そこでふたを取り外したところ、白い箱のようなものが出てきました。これがエアコンフィルターです。

ふたの取り外し方については、車種によって違うため注意してください。

「ホンダ ライフ」はツメで留まっているタイプなので、引っ張るだけでふたを外すことができましたが、車種によってはネジで留まっていることがあります。

取り外したフィルター

フィルターを取り外した後は、逆の手順で新品または、洗浄したフィルターを組み込んでください。

基本的に車のエアコンフィルターは、交換が原則となっています。しかし、買取査定に出すためにわざわざ新品を購入するのはもったいないです。そこで、再利用するための洗浄方法を解説します。

フィルターの洗浄方法

車のエアコンフィルターは非常に柔らかいため、強い力を加えないように注意してください。掃除機で汚れを吸い取ろうとするだけで、変形してしまうことがあります。そのため、「漬けおき洗い」を推奨します。

①まず、フィルターを優しく叩いてホコリや汚れなどを落とします。

②バケツや洗面器などに水を入れ、中性洗剤を2~3滴加えます。そこへフィルターを入れて、優しくもみ洗いをしてください。もみ洗いが済んだら、30分~1時間ほど漬けおきます。

③漬けおきが終わったら、フィルターを水ですすぎます。このとき、あまり強い水圧ですすぐとフィルターを痛めてしまう恐れがあるため注意してください。

④すすぎが完了したら、タオルなどで水けを取ります。その後、1日かけて自然乾燥をさせてください。

以上がエアコンフィルターの洗浄手順となります。

エバポレーターの清掃

清掃するべき箇所の2つ目は、「エバポレーター」と呼ばれる部品です。あまり聞きなれない名前だと思いますが、エアコンの冷気を作りだしている重要部品です。冷えたエバポレーターを空気が通過することで、冷気が発生します。

実は、エアコンのカビ臭の原因はエバポレーターに付着したカビです。また、フィルターを交換してもエアコンの効きが悪いなどの症状も、エバポレーターが原因であることが多いです。エバポレーターが目詰まりを起こすと空気が通りづらくなり、エアコンの効きが悪くなります。

出典:くるまや日記

上の画像がエバポレーターの本体になります。右側が目詰まりを起こしたエバポレーターで、左側が新品です。ここまで酷くなることはあまりないですが、定期的に洗浄することでキレイな空気と強力なエアコンの効きを維持できます。

ただ、エバポレーターの清掃は若干難易度が高いため、機械を分解することに慣れている人でないと難しいかもしれません。分解作業に自信のない方は、交換作業をせずにそのままの状態で査買取査定に出してください。

なお、自分でエバポレーターの清掃を行う場合、車種によってエバポレーターの位置や整備の手順が異なるため、整備手帳(取扱説明書)に従って作業を行ってください。

エアコンのカビ対策

ここまでエアコンの清掃方法を解説してきました。しかし、清掃をしても時間の経過とともにまたカビが発生してしまいます。そのため、対策を講じてカビを発生させないことが重要となります。

カビが発生する条件は以下の通りとなります。

・温度 20~30℃

・湿度 80%以上

・身の回りにあるさまざまなもの(ほとんどの物質がカビのエサになります)

この条件のうち、私たちがコントロールすることのできる条件が湿度になります。温度は気温により左右されるため、私たちにはコントロールすることができません。また、カビのエサもさまざまな物質が対象になるため与えないようにするのは難しいです。

そのため、湿度を下げることが唯一の対策となりますが、方法は簡単です。目的地に到着する数分前に、エアコンのスイッチ(A/C)を切り、風量を上げてエバポレーターを乾燥させるだけです。

エバポレーターは、冷えているため水滴がつきます。これは、コップに冷たい飲み物を入れると周囲に水滴がつく現象と同じ原理です。

そこでエアコンのスイッチを切り、エバポレーターに風を当てることで乾燥させます。湿度を下げることによって、カビは発生しなくなります。

しつこい臭いを消し去る方法

エアコンを清掃しても、完全には臭いが除去できないことがあります。なぜなら、臭いの元は目に見えないミクロレベルで存在しており、シートなどの奥深くまで染みついてしまっているためです。

こうした理由から、ファブリーズなどの液体消臭剤は浸透しきらないため効果がありません。そこで、スチーム(気体)の消臭剤を使用することによりミクロレベルでの消臭を行うことができます。

また、スチーム消臭剤はエアコンを作動させながらの施工になるため、上記のエアコン清掃では除去しきれなかった通風孔の中のカビにも効果があります。

他のすべての清掃作業を完了させた後の仕上げとして、スチーム消臭剤を使うと効果的です。

スチーム消臭剤を施工している様子

スチーム消臭剤は、カー用品店(イエローハットなど)やスーパーなどで購入することができます。豊富な種類があるため、どれを選ぶべきか迷うかもしれません。しかし、買取査定額を上げたいのであれば無香タイプの消臭剤を選ぶようにしてください。

なぜなら、消臭剤や芳香剤の臭いがする場合は「臭いをごまかそうとしている」と査定士に判断される可能性があるからです。このように判断された場合、ペットの毛が落ちていないかなど、より入念にチェックされることがあります。

査定を受ける前の注意点

車内を清掃し、消臭スチームまで使えば完璧だと思うかもしれません。しかし、査定を受ける前に注意すべき点が二つあります。

まず一つ目は「査定を受ける直前までドアを開けてなるべく換気をする」ことです。これは外気を車内に取り込むことで、車内の空気を入れ替えるためです。

そして二つ目は「査定の3日以上前に消臭スチームの施工を完了させる」ことです。消臭スチームをすると消毒液のような臭いが1~2日残るため、少し時間を空ける必要があります。3日経てば消毒臭は消えますが、余裕をもっておきたい場合は、1週間前に作業を完了させましょう。

一括見積もりを利用して買取査定額を上げる

ここまで、車内の清掃方法を解説してきましたが、結局のところ「車内がキレイか」や「臭いがするのか」を判断するのは査定士です。そのため、自分で車内をキレイにしても、査定士によって状態が悪いと判断された場合は買取価格を減額されてしまいます。

先ほど、「臭いの評価には明確な基準がない」の項目で述べたとおり、臭いの評価は査定士の嗅覚により決められます。たとえ同じ車であっても、査定士によって減額対象になるかどうかが変わってくるのです。つまり、業者によって臭いの評価が異なるということです。

そこで、一括見積もりを利用することにより、あなたの車を高く評価する業者を容易に見つけ出すことが可能になります。

車内の臭いや汚れが気になる方は、自分で車内を清掃た後に「一括見積もり査定」に申し込むことで高価買取を実現させましょう。


私が車を買い替えるとき、必ず行うことは一括査定によるネットからの一括見積もりです。一社だけでなく、何社もの見積もりを競争させることで中古車の下取り価格が高額になるからです。

一社だけの見積もりに比べて、複数の見積もり査定をすることで車の買取額が15~30万円ほどアップするのは普通です。

ちなみに、私が一括見積もりしたときは買取額が41万円も上がったことがあります。ネット見積もりの方法を他の人に伝えたところ、「3社から依頼があり、競争させたら買取額が14万円も上がった」「ディーラーからの下取り価格よりも23万円高くなった」など喜ばれるようになった経緯があります。

特にカービューを使えば、登録3分で最大8社へ一括見積もりを依頼することができます。あなたの自宅(または事務所)まで出向いてくれるため、わざわざ車を購入したディーラーのもとに出向くことなく見積もり依頼を出すことができます。

登録無料のネット一括見積もりを活用することが愛車を高額で売る最も確実な方法です。