愛車を売ろうと査定に出したとき、「えっ!こんなに安い査定額しかつかないの?」と思った経験はあるでしょうか。

そして、このように思ってはいながらも「プロの査定士が提示してきた金額なんだしこんなものなのかな」と納得して愛車を手放している人が多いです。

実は、あなたの「査定額安すぎない?」という予感はほとんどの場合的中しています。多くのユーザーが本来の価値よりも低い価格で車を買い叩かれているのは事実です。

車を売却する方法は主に「新車販売ディーラーの下取り」と「中古車買取業者の買取」の2つですが、あなたはどちらを利用している、もしくは利用する予定でしょうか。

インターネットが普及したことで、「ディーラーの下取り査定額は低い」という認識が広まりつつあります。そのため、中古車買取を利用している、もしくは利用する予定という人もいるでしょう。

確かに、ディーラーの下取り査定額が低いのは事実です。100%とは言えませんが、ほとんどの場合は中古車買取より低い査定額が提示されます。

「やっぱりディーラーの下取りはダメなんだ。じゃあ中古車買取を利用しよう」と思うかもしれませんが、中古車買取を利用すれば一安心という訳ではありません。

なにも考えずに中古車買取を利用した場合、本来の価値より10万も20万も安く買い叩かれることはザラです。ひどい場合では、100万円も安く買い叩かれることすらあります。これを中古車買取業界では「一本抜き」と言いますが、そんな用語が存在するほど安く買い取ることが当然の業界なのです。

それでもディーラー下取りよりは高い査定額を提示されると思いますが、まだまだ本来の買取価格には到達できていません。中古車買取を利用するにしても、きちんとした知識無くしては高価買取は実現できません。

そこで今回は、「下取りと買い取りの両方から愛車を安く買い叩かれないための対処法」を解説します。その次に、「愛車をギリギリまで高く売る方法」について紹介します。

ディーラー下取りで安く買い叩かれないためには

冒頭で「ディーラーの下取り査定額はほとんどの場合低い」と述べましたが、それは何も交渉しなかった場合の話です。実は、ディーラーにも積極的に高値で下取りしなければならない場面は存在します。それは、「新車を買う気がある顧客が交渉してきた場合」です。

「予算的に厳しいからもう少し高く下取ってもらえれば新車に買い替えられるんだけど……」「ライバル車種と迷ってるんだけど、高く下取ってくれたほうで新車を買うことに決めるよ」など、新車購入の条件として高値で下取ることを要求された場合、ディーラーは低い査定額を提示する訳にはいきません。

下手に低い査定額を提示すれば、新車販売のチャンスを潰してしまうかもしれないからです。新車を販売することに繋がる下取りであれば積極的にならざるを得ません。

あなたが「日産 セレナ」と「ホンダ ステップワゴン」のように似通った2車種(ライバル車種)でどちらを購入するか悩んでいた場合、下取り査定額が高いほうのディーラーに決めようと思わないでしょうか。

日産 セレナ 出典:日産

ホンダ ステップワゴン 出典:ホンダ

以上のことから、下取りを受ける際はディーラー側に「新車を販売することに繋がる下取り」と思わせるように交渉すれば安く買い叩かれなくなります。

私の経験から言うと、「他社のライバル車種と迷ってる」というのはかなり効果的です。以前、私の父が車を買うときに「ライバル車種と迷ってる」と伝えたら下取り価格を引き上げてもらえました。また、下取り価格だけでなく、次に買う新車のオプションなどもオマケしてくれました。

上記のケースからも分かるように、ディーラーの下取りであっても高く下取ってくれる可能性があります。いつもディーラーの下取りが低いとは言い切れない理由です。

ちなみに、知人の元中古車買取店オーナーから聞いた情報では、ディーラー下取りが中古車買取に査定額で勝ることが10~20%ぐらいの確率であるそうです。オーナーいわく、「基本的には買取のほうが強いけど、たまに下取りが一番高く売れるときがある。ディーラーの決算期(3月)やお正月はその可能性が上がる」とのことです。

そのため、絶対にディーラーの下取りでは高く売れないと決めつけてはいけません。ネット上で「下取りに出してもどうせ高く売れないから、始めから中古車買取で車を売りましょう」というような記述を見かけますが、これは間違いです。

ディーラーの下取りと中古車買取の両方から見積もりを取るのが、正しい車の売り方です。下取りと買い取りの両方で高額査定を引き出し買取価格を比較するのが、愛車を高く売る最良の方法です。

中古車買取業界の実態

ディーラー下取りに比べて高額査定が望める中古車買取ですが、ただ利用するだけでは高額査定は望めません。高額査定を獲得するためには正しい知識が必要となるからです。そのために、まず中古車買取の実態について知る必要があります。

下取り価格にプラスアルファが中古車買取業者の必勝パターン

中古車買取を利用する人の多くは、買取店に行く前にディーラーの下取りで見積もりを取っています。こうした人たちは、既に頭の中に愛車の相場価格のイメージが出来上がっています。ディーラーの下取り見積もり価格を見て、「だいたいこんなもんか」という風に思い込んでいるのです。

先ほど解説したように、ディーラーの下取りは中古車買取の買取価格よりも低めに提示されることが多いです。そのため、下取りの見積もりで出来上がった買取価格のイメージと、実際の買取相場価格がかけ離れていることも珍しくありません。

例えば、本当は100万円の価値のある車であっても、下取りで60万円の見積もりを提示されると車の持ち主は「この車の価値は60万円ぐらいなんだ」と思ってしまいます。

では、このように思い込んでいる顧客に対して、中古車買取店はいくらの買取査定額を提示するでしょうか。「本来の価値が100万円なんだから利益を引いて80~90万円ぐらい?」と思う人がいるかもしれません。しかし、正解は下取り価格プラスアルファの62~65万円ぐらいです。

なぜ、中古車買取業者は下取り査定額にプラスアルファした金額を提示してくるのでしょうか。それは、低めの買取査定額を提示したほうが結果的に成約に結び付きやすいからです。逆に言えば、高額査定を提示すると顧客に逃げられる可能性があるということです。

先ほどの例で言えば、80~90万円ぐらいの買取査定額を提示されたとき、顧客はどのように考えるでしょうか。「そんなに高く買ってくれるの!?もしかしてこの車もっと高く売れるんじゃないか?」と考えるはずです。

高い買取査定額を提示したことで、下取りによって出来上がった相場価格のイメージを壊してしまいます。中古車買取業者からすれば、一度イメージを壊したら厄介です。「他店でも査定してもらったらもっと高く売れるかも」と顧客に逃げられてしまうからです。

一方、下取り価格プラスアルファの62~65万円あたりの買取査定額を提示されたら顧客はどう思うでしょうか。大半の人が「やっぱりこのぐらいが限界か……」と思うでしょう。

もともと下取りの相場イメージが頭にあるため、少し上乗せされた金額を提示されると納得してしまいます。買取価格に納得するので、わざわざ他の買取店まで回ろうとは考えなくなります。

このような理由から、低い査定額を提示したほうが結果的に買取の成約率が上がります。下取りで既に相場イメージが出来上がった顧客というのは、中古車買取業者からすれば成約率も利益率も高い優良顧客なのです。

相見積もりを取っている顧客は手強い

「相見積もり」というのは、複数の中古車買取業者から見積もりを取ることをいいます。そして、中古車買取業者にとって手強いのは相見積もりを取っている顧客です。

先ほどの「下取り価格を相場価格としてイメージしている顧客」が下取り価格プラスアルファで成約できるのに対して、「相見積もりを相場価格としてイメージしている顧客」は基準の高い中古車買取の相場価格に上乗せした査定額を提示しなければ成約が取れません。

簡単に言えば、弱いライバル(下取り)を1人相手にするか、強いライバル(競合の買取店)に囲まれるかの違いです。

一般的にはあまり知られていませんが、買い取られた中古車のほとんどが「オートオークション」というところでセリにかけられています。そして、このときの落札相場価格が中古車の買取価格の基準になります。

そのため、どの買取業者も提示できる買取価格の限界は同じです。ただ、オートオークションの相場は中古車買取業界の人間しか知ることができないため、利益をいくら取ったかは顧客側には分かりません。

例えば、オークション相場80万円の車を40万円(利益40万円)で買い取っても顧客側には安く買い叩れていることが分かりません。絶対的な買取相場価格が決まっているのに買取店によって査定額が違うのは、このように利益の取り分が業者ごとに異なるからです。

こうした理由から、中古車買取業者のほとんどは買取査定額を出し惜しみします。最初から限界の買取価格の提示する業者はいません。「最初に提示した低めの査定額で成約が決まれば最良、他社と競争させられたときは少しずつ金額を上乗せすればいい」という風に考えているからです。

しかも、何回も査定額を上げることで「頑張ってます感」を演出することができます。実際にはスタート時点で低い金額を提示しているだけですが、「上司に掛け合ってなんとかしました!」などと言いながら査定額を引き上げられると、本当に頑張って高く買ってくれようとしているように見えます。

他社と相見積もりを取ることで、安く買い叩かれることは防止できますが、それだけでは不十分です。買取査定額を出し惜しみされてしまい、限界の買取査定額はなかなか引き出せません。

せっかく愛車を売るのであれば、できる限り高値で売却したいところです。では、買取査定額を出し惜しみさせずに、買取価格の限界を提示させるにはどうすればいいのでしょうか。

買取業者同士を直接競わせることで限界価格を提示させる

通常、相見積もりを取る際は複数の中古車買取店を回って査定を受けます。それぞれの買取店で見積もりを取って回るというイメージです。

しかし、この方法では高額査定を引き出すことは難しいです。なぜなら、買取業者同士が直接顔を合わせることがないからです。相手が見えていない状態では競争心を煽ることはできません。

もちろん、査定後に電話で「A社さんが〇万円を提示していますが、B社さんはいくらまで出せますか?」という風に交渉することもできますが、かなりの手間と労力がかかります。

また、買取店で査定を受ける度にしつこく車を売るよう迫ってくるので対応が大変です。下手をすると、押し切られて査定を予定している業者を回り切れない可能性があります。実際、私の友人は5社からの査定を予定していましたが、1社目の買取店に押し切られて車を売ってしまったことがあります。

では、どのようにするのがベストかというと、出張査定を利用することです。出張査定というのは、文字通り買取業者があなたの家(駐車場)まで出張で査定に来てくれるサービスです。

買取店まで車を持ち込む必要がないので手間が省けますし、店舗を回らなくていいので何回もしつこく営業される心配がありません。そしてなにより、買取業者同士が直接顔を合わせるので競合して買取査定額が上がります。

目の前にライバルがいる以上、出し惜しみをしていては車を買い取れません。最終的に、それぞれの業者が自分の持てる精一杯の買取価格を提示し合います。

なお、競わせる買取業者の数は3~5社にするのがベストです。少なすぎると競争になりませんし、逆に多すぎても対応が大変なだけで買取価格が上がることはありません。

先ほども言ったように、中古車の買取価格はオートオークションの相場で決まります。そのため、競合を増やすほど査定額が上がるわけではありません。欲張って何社も査定に呼んでも対応に追われるだけで意味がないのでやめましょう。

上の図のように、あなたがオークションを開いているような状況を作り出せばいいのです。そもそも、中古車の買取相場自体がオートオークションで決められるので、個人でも同じようにオークションを開くのは理にかなっています。

ちなみに、上記のような状況を作るためには、ただ出張査定に申し込むだけではいけません。査定を受ける全ての業者が同じタイミングで査定に来るように、事前に調整する必要があります。面倒だと感じられるかもしれませんが、査定を申し込む際に同じ時間に来てもらうよう各業者に伝えるだけなので簡単です。

同じタイミングで査定を受けることさえできれば、後は自動的に高価な買取査定額が提示されます。あなたは査定を見守っていればいいだけです。業者同士が勝手に競い合って値段を吊り上げてくれるからです。

要するに、中古車買取で車を高く売るためには「同じタイミングで出張査定に来るようにして業者同士を競い合わせればいいだけ」です。とてもシンプルなことであり、巧みな交渉術などは全く必要ありません。

ところで、「出張査定に対応した業者はどうやって探すの?」と疑問に思うかもしれません。出張査定に対応した業者を探す方法は、「インターネットで検索して探す方法」と「インターネットの一括見積もり査定を利用する方法」の2通りがあります。

ただ、前者の方法は手間がかかるだけで特にメリットがないのでおすすめしません。後者の「一括見積もり査定」で出張査定に対応した業者を探すことをおすすめします。

一括見積もり査定に申し込むと、買取業者から電話かメールで連絡が来ます。連絡があった中で、あなたが査定を受けたいと思った業者の全てに同じ出張日時を伝えればいいです。ちなみに、一括見積もり査定に加盟している中古車買取業者は全て出張査定に対応しているので、出張に対応しているかどうかを気にする必要はありません。

まとめ

今回は、「愛車を安く買い叩かれないための対処法」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。高価買取のポイントをおさらいすると、以下の通りです。

ディーラー下取り:

ディーラー側に「新車を販売することに繋がる下取り」と思わせるように交渉する。具体的には、「予算的に厳しいからもう少し高く下取ってもらえれば新車に買い替えられるんだけど……」「ライバル車種と迷ってるんだけど、高く下取ってくれたほうで新車を買うことに決めるよ」などのセリフが有効

中古車表者による買取:

複数の買取業者を競合させるオークション方式を使う。このとき、必ず出張査定を利用することが重要。店舗まで出向いて査定(持ち込み査定)を受けると、しつこく営業されて他の買取店を回りきるのが困難

ちなみに、下取りと買い取りの両方で査定を受けるよう述べましたが、順番としては下取り→買い取りの流れで査定を受けてください。

このとき、下取りは下取りの相場、中古車買取は中古車買取の相場というように、それぞれ別物として考えるようにしてください。先ほど解説したように、「下取りの相場価格」をイメージすると中古車買取で安く買い叩かれる危険があります。間違っても下取りを基準に買取希望額を伝えるようなことをしてはいけません。

なぜ上記の順番にするべきかというと、中古車買取で査定を受けた後に下取り査定を受けるのが困難だからです。出張経費をかけて査定に来ている以上、買取業者はなんとしても買い取ろうと売却の即決を求めてきます。

また、競合させて買取価格を提示させているので、最高額を提示してきた業者に対して即決を断るのは厳しいです。「この後下取りも受けるので、即決はできません」と言ってもそう簡単に引き下がってはくれません。

一方、下取りであれば即決を迫ってくるようなことはありません。ディーラーは下取りに出してもらうことに執着していませんし、新車を買ってもらう前提なので顧客に強く言えません。

そのため、即決を断りやすい下取りから先に査定を受けて、その後に中古車買取で査定を受けることをおすすめします。もし、中古車買取で提示された最高額が下取りよりも低かった場合は、下取りの見積もりを見せれば売却を断る口実になるので問題ありません。

中古車には定価が存在しないので、安く買い叩かれていることに気づかない人は多いです。それが原因となり、下取りにせよ買い取りにせよ業者にとって安く買い叩くことが当たり前になっています。

中古車事情を知らなければ、買取業者に高価買取をしてもらうことは望めません。今回解説した内容を実践して、高い買取査定額を獲得してください。


私が車を買い替えるとき、必ず行うことは一括査定によるネットからの一括見積もりです。一社だけでなく、何社もの見積もりを競争させることで中古車の下取り価格が高額になるからです。

一社だけの見積もりに比べて、複数の見積もり査定をすることで車の買取額が15~30万円ほどアップするのは普通です。

ちなみに、私が一括見積もりしたときは買取額が41万円も上がったことがあります。ネット見積もりの方法を他の人に伝えたところ、「3社から依頼があり、競争させたら買取額が14万円も上がった」「ディーラーからの下取り価格よりも23万円高くなった」など喜ばれるようになった経緯があります。

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登録無料のネット一括見積もりを活用することが愛車を高額で売る最も確実な方法です。