あなたは、「中古車買取は高く売れるって言うけど、しつこく営業されないか不安なので、信頼できるディーラーを利用したいな」と思ってはいないでしょうか。一方で、「下取りの見積もりを取ったら信じられないくらい低い査定額だった。中古車の値段が分からないと思って馬鹿にするな!」と怒りを感じている人もいるかもしれません。

確かに、下取りで提示される査定額が低い傾向にあるのは本当です。下取りについてネットで検索すると、「下取りでは高価買取は無理だから、ガリバーやビッグモーターなどの中古車買取で車を売ろう!」といった記述が多いのはそのためです。

悪い側面ばかりがピックアップされる下取りですが、もちろんメリットもあります。それは、手間がかからないことです。次の車を購入するディーラーで、一括していま乗っている車の売却から次の車の購入までを済ませることができます。この点に魅力を感じて、下取りを利用したいと考える人は多いでしょう。

また、私の両親もそうですが、ディーラーとのつきあいを気にして下取りで車を売りたいと考える人もいるでしょう。いつもお馴染みのディーラーで車を買っている場合、他社に車を売るのがなんとなく気まずいという気持ちは分かります。

このような理由から、「できれば中古車買取ではなくディーラー下取りで高価買取を実現したい」と思うのは自然です。

そこで私は思いました、「どうにかして下取りで高額査定を引き出せないものか」と。それが可能かどうかを確かめるべく、私がいつもお世話になっている新車販売ディーラーの営業マンにインタビューをしました。

その結果、「下取りでは高価買取が望めないという情報は必ずしもそうではない」ということが分かりました。交渉と条件次第では、ときとしてディーラーの下取り査定額が中古車買取に勝ることがあるのです。

今回は、「下取りで高額査定を引き出す方法」について紹介していきます。

下取りで高額査定を引き出す方法

冒頭でも述べたように、ディーラーの下取り査定額が中古車買取に比べて低い傾向にあるのは事実です。しかし、「ある条件」を満たして上手に交渉すれば、高額査定を引き出す余地は残されています。

その条件と交渉術とは一体どのようなものなのか、これから詳しく解説していきます。

ディーラーが新車を売りたいタイミングを狙う

ディーラーがどうしても新車を売りたいタイミングを狙って交渉を行うことで、より高い査定額を引き出すことができます。

では、具体的にディーラーがどうしても新車を売りたいタイミングとはいつのことでしょうか。それは、以下の時期です。

・決算期の締め切り前=3月・9月

3月や9月になると、「決算期セール」や「決算フェア」などの新車販売キャンペーンが行われます。実際、年間の新車販売台数を見ると3月と9月に多くの新車が売れています。

参考元:日本自動車販売協会連合会「新車・年別販売台数」

ディーラーは決算期までにできるだけ多くの新車を販売して、決算の数字を良くしようと考えています。販売ノルマ達成はもちろんのこと、数字が良ければ親会社のメーカーから貰える販売奨励金(はんばいしょうれいきん)が増えるからです。

販売奨励金とは、新車割引や下取り額アップのために充てられるお金のことで、販売を促進するためにメーカーから支給されるお金です。決算期前に販売奨励金を使って新車をできるだけ売り、それで受け取った販売奨励金はまた次回の決算期前に使われます。

決算期を目前にして販売ノルマを達成できていない場合、営業マンは内心冷や汗ものです。「どうにかして新車を売らなきゃ……」とプレッシャーを感じています。そんな状況で新車を買う可能性のある顧客が現れたらどうでしょうか。営業マンにとっては一筋の光が差したように感じられます。

このような状況下では、営業マンは無理をしてでも新車を販売しようとしてきます。つまり、利益を削ってでも高値で下取りをして新車を買ってもらおうとするのです。

ノルマを達成していない営業マンがあなたの商談相手につくかどうかは、残念ながら運次第です。ただ、少なくとも決算期前の時期を狙うことで、こうした営業マンにあたる確率を高めることは可能です。

営業マンの実績になるのは納車が済んでから

ここで1つ注意すべきことがあります。それは、3月・9月ともに最低でも15日までに契約を済ませておくという点です。27日、28日、29日などの月末ギリギリを狙ってはいけません。

なぜなら、決算期前に新車を売ろうと営業マンが無理して頑張ってくれるのは、「実績になる日付まで」だからです。

実は、自動車は納車されないと営業マンの販売実績としてカウントされません。そして、納車するためには車検証とナンバーが発行されて車が登録されないといけません。

そのため、新車の購入契約から登録までには、最短でも1週間ほどかかります。さらに、車の製造にかかる日にちやローンの審査などもあるため、実際には1週間以上かかることが多いです。

新車を契約してから実際に納車されるまでの期間は、以下の3つの条件によって左右されます。

ナンバー・車検証の取得:

およそ1週間の時間が必要

車の製造にかかる期間:

売れ筋の車(例:白色のプリウスなど)は売れることを見越して多めに発注されるため、ディーラーが在庫している可能性がある。自分が購入希望の車の在庫があれば、在庫車を購入することで納車を早めることができる。また、在庫車は値引き率が高いため、新車を安く購入することができる

ディーラーに在庫のない車を注文する場合、メーカーに発注してから車が出来上がるまでに最低でも2週間ほどかかる。車種・グレード・ボディカラー・オプションの組み合わせが近日中に生産予定のない車であった場合、生産日程の都合で1ヶ月ほどの期間が必要な場合もある

車の製造にどのくらい期間がかかるかは聞いてみないと分からないので、気になる新車がある場合は事前にディーラーに問い合わせるのが確実

ローンの審査:

一括して現金で払う場合は問題ないが、ローンを組んで車の代金を支払う場合は注意が必要。ディーラーのローンに加入するのであれば、即日、もしくは2、3日で審査が通る。しかし、銀行系のローンを組む場合、審査に1週間ほどの期間を要する

新車の契約から納車までの期間は、これらの要素の組み合わせで変わります。

例えば、現金購入で在庫車を買う場合、ナンバー・車検証の取得日数だけで済むので納車待ちが1週間ほどです。一方、ローン払いで新車を発注する場合は(1週間+2週間+1週間)になるので、納車まで1ヶ月以上かかります。

このように契約から納車まで期間が空くため、納車日が月をまたぐと営業マンの実績になるのは決算期の後になってしまいます。これでは決算の数字が良くならないので、営業マンが無理して高く下取りする理由がなくなってしまいます。

納車日が決算期を超えないように、上記を参考に納車期間を逆算してください。例えば、3月に在庫車を銀行ローンで購入する場合、納車まで最低でも2週間はかかる計算になります。したがって、実際に新車を契約するのは遅くても3月半ば(15日)までとなります。

ここで、「1ヶ月以上早く契約する場合、決算期の恩恵を受けられない(高く下取ってくれない)のでは?」と思う人がいるかもしれません。

その点に関しては全く心配ありません。納車まで時間がかかるのは顧客の責任ではないので、決算期ようの販売奨励金を前倒しして使ってくれます。不安な場合は、「早めの契約になりますが、決算期(ボーナス月)扱いで査定してもらえますか?」と営業マンに聞いてみましょう。

高額下取りを狙うための2段構えの交渉術

上記のように時期を狙って新車の契約(下取り)をするのは大事ですが、それだけでは不十分です。より高値で下取りをしてもらうためには、交渉テクニックも必要になってきます。ここからは、ディーラー営業マンから聞いた2段構えの交渉術を解説します。

ステップ1:新車購入に踏み切れないことをアピールする

この交渉術を使うとき、「この人、新車を買う気マンマンだな」と営業マンに悟られてはいけません。もともと新車を買う気である顧客に対して、無理に高額な下取りをする必要がないからです。

「いま乗っている車がまだ乗れるから、新車を買うのはもったいないんですよね」とアピールしましょう。要するに、あと一押しがあれば新車を買う可能性があると営業マンに思わせるのです。

ディーラーに入店して展示車を眺めていると、「どういったお車をお探しですか? こちらの新車は大変人気なんですよ」などと営業マンに話しかけられます。入店早々に積極的に話しかけてくる営業マンは、ノルマを達成できずに焦っている可能性が高いです。

そこですかさず、「新車が気になって見に来たんですけど、いま乗っている車がまだ乗れるから新車の購入に踏み切れなくて」「あと一押しがあれば新車を買ってもいいかなあ」と切り返しましょう。

運よくノルマを達成していない営業マンにあたれば、交渉の主導権はあなたのものです。なんとかして新車を売ろうと、高価下取りや新車の値引きなどを提案してくるでしょう。場合によっては、赤字覚悟で下取り額を上げてくれる可能性もあります。

ステップ2:競合車や競合ディーラーを持ち出して交渉する

上記の交渉に加えて、買う気はあるがライバル車や競合ディーラーと迷っていることを営業マンに伝えましょう。そうすることで、高額下取りを獲得できる可能性が高まります。ライバル車と競合ディーラーとはなにか、以下で解説します。

ライバル車とは:

ライバル車とは、同じタイプ・価格帯で別メーカーの車種のことをいいます。例えば、「ホンダ ステップワゴン」のライバル車は「日産 セレナ」です(この他にもライバル車はあります)。

日産 セレナ 出典:日産

ホンダ ステップワゴン 出典:ホンダ

この2台はどちらも同じミニバンタイプの車です。そして、価格帯も一緒です。つまり、購入するユーザー層が同じ車です。同じユーザー層を取り合う相手であるため、ライバル車と表現されます。

具体的な交渉の仕方としては、ディーラーで交渉する際にライバル車を引き合いに出します。例えば、ステップワゴンを購入するのであれば、ホンダのディーラーで「セレナと迷ってるんですよね」と交渉すると下取り額を上げてくれる可能性が高いです。

なぜ、ライバル車を引き合いに出すと下取り額が上がるのでしょうか。それは、低い下取り額を提示してライバル車に顧客が流れたら困るからです。ディーラーにとっては、下取り額を上げて利益が減るよりも新車販売のチャンスを潰すほうが圧倒的に痛いです。

競合ディーラーとは:

競合ディーラーとは、親会社は同じメーカーではあるものの、別会社のディーラーのことをいいます。例えば、「トヨペット」と「ネッツトヨタ」などがそうです。同じトヨタ系ディーラーですが、それぞれ独立しているので競合ディーラーとなります。

例えば、あなたが「プリウス」を買うとします。プリウスは、トヨペットとネッツトヨタの両方で購入可能です。どちらで買ってもいいですが、必ず競合ディーラーの両方で見積もりを取りましょう。

そして、見積もりを見せて「トヨペットのほうが下取りが高いんですが、ネッツトヨタさんはどこまで出せますか?」などと交渉しましょう。

1つ注意が必要なのは、販売チャンネルを差別化する目的があるので、全てのディーラーが同じ車種をラインナップしているとは限らない点です。

例えば、ネッツトヨタは「ヴィッツ」を扱っていますが、トヨペットには「ヴィッツ」の取り扱いがありません。この場合は競合ディーラーとして引き合いに出せないので、ライバル車をネタに交渉しましよう。

なぜ、新車の値引きではなく下取り額のアップなのか

ここまでの解説を読んで、「下取りと新車の割引はセットで考えるものだと思うけど、下取りの代わりに新車の値引き額をアップすればいいのでは?」と思う人がいるかもしれません。確かに、下取り額と値引き額はトータルで考えるべきです。

このことについてディーラー営業マンに聞いたところ、以下のような返答を頂きました。

当然ですが、新車の値引き額は上限が決められています。いくら新車を売るためとは言っても、営業マンの勝手な判断で何十万円も値引きされては利益がなくなってしまうからです。そして、その上限は決算期だからと上がるわけではありません。

「決算期やボーナス月は新車の値引きが大きくなる」と考えているユーザー様は多いですが、実を言うと上限が変わらないので年間を通していつ新車を買っても値引き率の限界は変わりません。

ただし、新車オプションの割引に関しては決算期のほうが有利です。決算期前は販売奨励金が多く使えるので、新車のオプションを安くすることができます。例えば、カーナビを2万円引きにしたり、ボディのコーティング剤をサービスさせて頂いたりします。

新車の値引きに限界があるとすれば、次に営業マンが頼れるのは下取りです。もちろん下取りにも基準は決められていますが、中古車の状態は1台1台異なります。その気になれば、査定の評価をごまかして本来より高い査定額(赤字)をつけることは可能です。

とはいえ、あまり頻繫に赤字の下取りをしていては問題です。営業成績にも関わりますし、上司や本部からの信用に響きます。そのため、赤字覚悟で下取りできる数には限りがあります。あくまでも、決算期前などの「ここぞ」というときに最後の切り札として使う手段です。

納得して頂けたでしょうか? 「新車の割引は限界額が決められているので、下取り額を高くする方向で攻めていくしか方法がない」というのが結論です。今回解説した内容を実践して、最後の切り札を引き出しましょう。

決算期まで期間がある場合は中古車買取の利用も考える

ここまで、下取りで高額査定を引き出すための方法について解説してきましたが、1つ問題があります。それは、あなたが車を買い替える時期が都合よく決算期前であるとは限らないことです。

「あと1,2ヶ月待てば決算期だ」という場合は、決算期まで待って車を買い替えればいいです。ただ、4ヶ月も5ヶ月も期間があるのに決算期まで待つのはおすすめしません。

なぜなら、車の価値は時間とともに下がっていくからです。決算期を待っているまでの期間に、車の価値が下がっては本末転倒になってしまいます。時間が経って車の価値が下がれば、せっかくの高額査定も意味を成しません。

しかし、だからといって決算期でない時期に下取りに出すと安く買い叩かれる危険性があります。

今回の記事は、「なるべく下取りを利用して車の買い替えを済ましたい人」に向けたものです。だからこそ、決算期を狙って上手く交渉すれば高く下取ってもらえると解説してきました。ただ、裏を返せば「この条件に当てはまらないと高額査定は獲得できない」とも言えます。

基本的な前提として、ディーラーの下取り査定額は低めです。ガリバーやビッグモーターなどの中古車買取業者と比べると、たいていの場合は査定額で負けます。

知人の元中古車販売店オーナーいわく、中古車買取に下取りが査定額で勝る確率は10~20%だそうです。そして、この10~20%という数字は今回解説したような交渉術を使った場合に得られる確率です。

以上の理由から、決算期まで期間が大きく空いている場合は中古車買取の利用も考えるべきだといえます。中古車買取は、決算期以外であっても買取査定額が激しく落ち込むことはないからです。

まとめ

今回は「下取りで高額査定を引き出す方法」について解説してきました。条件を揃えて交渉すると聞くと難しく感じるかもしれませんが、実際にはそれほど難しいことではありません。決算期を狙って少し交渉すればいいだけです。

ここで、今回の内容を再度確認します。

・ディーラーが新車を売りたいタイミングを狙う

具体的な時期としては、3月末・9月末まで。月末までに納車が完了するように、逆算して新車の購入契約を済ます

・ステップ1:新車購入に踏み切れないことをアピールする

「新車が気になって見に来たんですけど、いま乗っている車がまだ乗れるから新車の購入に踏み切れなくて」と伝え、営業マンに「頑張って押せば新車を買ってくれるかも……」と思わせる

・ステップ2:ライバル車や競合ディーラーを引き合いに出す

ステップワゴンに対してセレナ、ノートに対してフィットなど、ライバル車と迷っていることを営業マンに伝える。または、競合ディーラーの見積もりを見せてプレッシャーをかける

・決算期を大きく外れる場合は中古車買取の利用も考える

基本的な前提としてディーラー下取りは査定額が低いので、決算期など特別な条件下でないと高額下取りを望めない。一方で、中古車買取は決算期以外でも査定額がガタ落ちすることはない

新車に買い替える際、あなたがディーラーの下取りで車を手放したいと考えているのであれば、今回の内容を実践して高額査定を獲得してください。


私が車を買い替えるとき、必ず行うことは一括査定によるネットからの一括見積もりです。一社だけでなく、何社もの見積もりを競争させることで中古車の下取り価格が高額になるからです。

一社だけの見積もりに比べて、複数の見積もり査定をすることで車の買取額が15~30万円ほどアップするのは普通です。

ちなみに、私が一括見積もりしたときは買取額が41万円も上がったことがあります。ネット見積もりの方法を他の人に伝えたところ、「3社から依頼があり、競争させたら買取額が14万円も上がった」「ディーラーからの下取り価格よりも23万円高くなった」など喜ばれるようになった経緯があります。

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