あなたは車検の時期が迫ってきて、車を乗り換えるか車検を通して乗り続けるかで迷っていないでしょうか。

「車検で高い費用を払うぐらいなら、車を買い替えてしまおうか?」「結構長い間乗り続けてきたし、このまま乗り潰してしまったほうがいいのかな」「今の車は維持費が高いから、維持費の安い車に乗り換えたほうが経済的かな?」など、さまざまなことを考えるでしょう。

結論から先に言えば、基本的には車検更新をして同じ車に乗り続けたほうが得です。ただ、それはコスト面のみで言えばの話です。実際には、長く乗り続ければ車は劣化しますし、新しい車が欲しくなることもあります。また、維持費の安い車に乗り換えた場合は、長い目で見ると得になることもあります。

「乗り換えと車検更新にかかるコスト」や「維持費の安い車に乗り換えたら年間いくら得なのか」などをシミュレーションすることができれば、新しい車に乗り換えるかどうかが判断しやすくなります。

そこで今回は、「乗り換えと車検のコスト比較」と「維持費の安い車に乗り換えた場合のコストシミュレーション」「車を乗り換えるタイミング」について解説していきます。

乗り換えと車検のコスト比較

車検と車の乗り換えにかかる費用を、それぞれ解説します。まずは、車検にかかる費用から見ていきましょう。

車検にかかる費用

車検は、初回は3年、それ以降は2年に一度の頻度で受けなければなりません。そのため、購入時から3年目で初回車検、次は5年目、その次は7年目に車検を受けることになります。

車検費用の内訳は以下の通りです。

整備検査代金・代行手数料:

  • 整備・検査代金
  • 検査手続代行費用

法定費用:

  • 重量税
  • 自賠責保険料
  • 印紙代

整備検査代金・代行手数料はディーラーや整備工場によって金額が異なりますが、法定費用は一律です。また、修理が必要な場合は別途修理費用が必要になります。

車検費用は依頼先や車の状態によって変動しますが、例えば一般的な普通車なら相場は以下の通りです。軽自動車の場合は法定費用、整備費用ともに安くなるため、普通車よりも安価で車検を通すことが可能です。

ディーラー 法定費用+4~10万円
民間整備工場 法定費用+3~8万円
カー用品店やガソリンスタンド 法定費用+2~6万円

※消耗品(タイヤやオイルなど)の交換費用、部品の修理・交換費用は含みません

法定費用を含めた車検費用の相場ですが、私が実際に支払っている費用を例に出すと、普通車の「ホンダ ステップワゴン」が2年で17万円、軽自動車の「ホンダ ライフ」が2年で11万円です。なお、両車ともディーラー車検なので高めの料金です。

乗り換えにかかる費用

意外と見落としがちですが、車の乗り換えにかかる費用は車両代金だけではありません。法定費用と諸費用が別途必要になります。

①法定費用:

法定費用は新車購入時に必ず支払わなくてはならない費用です。新車購入時以降も、自動車税は毎年、重量税と自賠責は車検毎に支払います。法定費用の料金は国が定めたものであるため、全国どこのディーラーで車を購入しても金額は一律です(値引きが不可能)。

法定費用の内訳は以下の5つです。

  • 自動車税
  • 自動車重量税
  • 自賠責保険料
  • 自動車取得税
  • 消費税

これらの費用は車種ごとに異なりますが、自動車メーカーのホームページの「オンライン見積もり」を利用すると簡単に費用が分かります。

例えば、「トヨタ プリウス」であれば、、エコカー減税で大幅に減税されるため法定費用は46,580円です。これはかなり減税率が高い例で、10~15万円ぐらいが法定費用の相場です。

プリウスの見積もり結果(赤枠内が法定費用)出典:トヨタ

②諸費用(手数料):

諸費用というのは、購入した車を自分名義にするための登録や、車庫証明の取得などを代行してもらうための手数料です。これらの手数料は、ディーラーや販売店によって金額が異なります(値引きが可能)。

なお、代行せずに自分で行えば費用はかかりません(リサイクル料金と納車前整備を除く)。ただ、手間暇を考えて全てディーラーに任せる人がほとんどです。

諸費用の内訳は以下の5つです。

  • 各種登録費用
  • 車庫証明費用
  • 下取り費用
  • 納車整備費用
  • リサイクル料金

先ほどと同じくプリウスを例にすると、オンライン見積もり上での諸費用は77,207円です(リサイクル料金含む)。ちなみに、諸費用の相場は5~15万円ほどです。

上記の法定費用と諸費用を足すと、車を乗り換える際にかかる費用はおよそ15~30万円です。車検にも結構な費用はかかりますが、車を乗り換えるにも同等かそれ以上の金額がかかります。

維持費の安い車に乗り換えるのは本当に得なのか?

車の乗り換える理由として、「維持費を減らしたい」という理由を挙げる人は多いです。車の維持費は高額なため、家計を圧迫する原因になるからです。大きな車や排気量の大きい車に乗っていれば、毎月の支払額はかなりのものになってしまいます。

「維持費の安い車に乗り換えれば少しは家計が楽になるかも……」と考える気持ちはよく分かりますが、次の車を買う費用もかなりのものです。軽自動車ですら、購入するのに100万円以上はかかります(100万円以下で買える車種も存在します)。

では、維持費の安い車に乗り換えると何年で元が取れるのでしょうか。私の愛車である「ホンダ ステップワゴン(普通車)」と「ホンダ ライフ(軽自動車)」の維持費を例に、比較していきます。

車の維持費を表にしたものが以下です。

ステップワゴンの維持費
項目 年間コスト 備考
自動車税 39,500円 排気量 1.5L
任意保険料  72,000円 7等級、26~29歳以下での相場価格
車検代(重量税、自賠責、印紙代込み)  17万円÷2年=85,000円 実際に支払った費用
ガソリン代  112,500円 燃費12km/L、135円/L、年間走行距離1万kmとして計算
消耗品費(タイヤやオイル) 30,000円 ミニバンの消耗品費の相場価格
年間コスト合計 339,000円(約34万円)

こうして改めて計算してみると、自分でも「こんなに維持費がかかってるのか!」と思ってしまいます。やはり、ミニバンは重量税と燃費の面から維持費が高くなってしまうようです。

次に、維持費の安い軽自動車と比較してみましょう。

ライフの維持費
項目 年間コスト 備考
自動車税 10,800円
任意保険料  72,000円 7等級、26~29歳以下での平均相場価格
車検代(重量税、自賠責、印紙代込み)  11万円÷2年=55,000円 実際に支払った費用
ガソリン代  約84,500円 燃費16km/L、135円/L、年間走行距離1万kmとして計算
消耗品費(タイヤやオイル) 10,000円 軽自動車の消耗品費の相場価格
年間コスト合計 232,300円(約23万円)

ライフは古い車でターボ車なので軽にしては燃費が悪いですが、それでもステップワゴンに比べれば年間の維持費はかなり抑えられています。これよりも燃費の良い軽自動車であれば、さらに維持費は抑えられるでしょう。

上記の結果から、ステップワゴンとライフの維持費の差は11万/年です。何年で元を取るかにもよりますが、例えば5年で元を取るなら乗り換え費用が60万円以内である必要があります(維持費が5年で55万円削減されるため)。

例えば、ステップワゴンの新車価格を300万円、ライフの新車価格を130万円とします。ステップワゴンが70万円で売れれば、あと60万円足せばライフが買えます。そうすれば、5年で元が取れる計算になります。

このように考えると、次の車を中古で購入する場合やいま乗っている車が高く売れる場合は、維持費の差で元を取ることは十分可能だといえます。

車を乗り換える適切なタイミングとは

冒頭でも述べたように、車は車検更新をして長く乗ったほうが得です。なぜ、長く乗ったほうが得なのか? それは、車の価値が「毎年20%ずつ下がる」からです。

※車種によってパーセンテージは変動しますが、20%が基本とされています

実は、車は「毎年50万円ずつ」というように決まった金額で価値が下がる訳ではありません。新車時から価値が0円になるまで一定のペースで価値が下がると思っている人が多いですが、実際は違います。

勘のいい人はお気づきかもしれませんが、一定の割合で価値が下がるということは、新車時から1年目が最も価値が下がります。そして、だんだんと年数が経つごとに価値の下がり方が緩やかになります。例えば、300万円の車なら以下のような経過で価値が下がっていきます。

経過年数 値下がり額  価値
1年 300万円×20%=60万円 240万円
2年 240万円×20%=48万円 192万円
3年 192万円×20%=38万円 154万円
4年 154万円×20%=31万円 123万円
5年 123万円×20%=25万円 98万円
6年 98万円×20%=19.6万円 78.4万円
7年 78.4万円×20%=15.7万円 62.7万円
8年 62.7万円×20%=12.5万円 50.2万円
9年 50.2万円×20%=10万円 40.2万円
10年 40.2万円×20%=8万円 32.2万円

グラフにすると一目瞭然です。

図1:車の価値の下がり方

上記の「車の価値の下がり方」を参考に年間あたりのコストを割り出すと、以下のようになります。

乗り換え年数 購入価格 売却価格 計算式 年間コスト
3年(初回車検) 300万円 154万円 (300-154)万÷3年= 48.7万円
5年(車検2回目) 300万円 98万円 (300-98)万÷5年= 40.4万円
7年(車検3回目) 300万円 62.7万円 (300-62.7)万÷7年= 33.9万円
9年(車検4回目) 300万円 40.2万円 (300-40.2)万÷9年= 28.9万円

※年間コストは小数点第二位以下を四捨五入
※計算式は(購入価格-売却価格)÷乗り換え年数=年間コスト

「車の価値が下がる前に売って乗り換えたほうが得なのでは?」と考えている人が多いですが、これを見ても分かるように乗り換え年数が早いほど年間コストは高くなります。つまり、早く乗り換えるほど損をするということです。

ただ、そうはいってもいま乗っている車がある程度の値段で売れないと、次の車を買う予算を捻出するのが難しくなります。

理論的には車に長く乗り続ければその分節約できるはずですが、節約した分のお金を手元に残しておけるかは別の話だからです。お金があればなにか別のことに使ってしまうかもしれません。そう考えると、いま乗っている車がいくらで売れるかは重要になってきます。

また、「いま乗っている車の維持費が高い」「車に乗る頻度が減ったので、小さい車で十分」という場合は、早めに見切りをつけて車を乗り換えることも考えなければなりません。

車を乗り換えるなら7年・5万km未満がポイント

車の乗り換えを考えるなら、車検3回目を迎える7年目が1つの指標となります。厳密に言えば、7年目を迎える少し前、6年10ヶ月ぐらいで車を売却するのがベストです。

なぜかというと、車は年始の1月1日で年式が1年加算されるからです。例えば、12月31日までは6年落ちだった車が1月1日になった瞬間に7年落ちになってしまうのです。当然、年式が古いほど買取価格は下がります。

また、車の価値は年式だけでなく走行距離によっても変わります。走行距離は1年・1万kmが基準とされていますが、経過年数が多くなると基準が変わってきます。

経過年数 走行距離
4年以下 年間1万km
5年以下 年間9千km
6年以下 年間8千km
8年以下 年間7千km
9年以上 年間6千km

7年目の車であれば、走行距離の基準が4.9万kmになります(7千km×7年=4.9万km)。つまり、4.9万kmよりも走行距離が多いか少ないかで買取査定額が変わります。

先ほど、車の価値は毎年20%ずつ下がると解説しました。そして、年が経つほど価値の下がり方は緩やかになるとも説明しました。

しかし実際には、7年・5万kmを超えてくると急激に車の査定額は下がってきます。車の市場価値は10年でほとんどなくなるため、7年目を過ぎたあたりから商品価値が急に下がるからです。

例えば、あなたが中古車を買うとき、8年落ちや9年落ちの中古車を買おうと思うでしょうか? 逆に、6年落ちなら「まだ乗れるな」と思うのではないでしょうか。多くの人が「ちょっと古い車だな……」と思うギリギリのラインが7年目なので、そこを過ぎると買取査定額がガクンと落ちていきます。

以上のことから、車は7年、もしくは5万kmのどちらかに差し掛かったら乗り換えを考えましょう。これを超えると車の買取査定額(下取り査定額)は下落していき、車の買い替え費用を捻出するのが大変になります。

車の修理費を心配する必要はほとんどない

ここまで、車は長く乗ったほうが得だと解説してきましたが、「車検更新時に部品の交換が必要になったら修理費が高くつく。それだったら車を買い替えてしまった方がいいのでは?」と考える人がいるでしょう。実際、私の知人・友人にもそのように考えている人は多いです。

確かに、車は耐久消費財です。使えば使うほど消耗していきます。世間一般にも、「車は10年・10万kmで寿命」と認識されています。そのため、車が5年・5万kmを過ぎたあたりから「車検更新時に修理費がかかってくるのではないか」と心配するユーザーが多いです。

しかし、その一般常識が実は間違っていることをあなたは知っているでしょうか。

10年・10万kmが車の寿命というのは昔の話

実は、「車は10年・10万kmで寿命」というのは昭和時代の常識です。21世紀の車は10年・10万km程度で寿命を迎える(壊れる)ことは滅多にありません。それどころか、きちんとメンテナンスされた車なら20年20万km以上走り続けます。

いまだにこのように認識しているのは日本ぐらいで、海外では「車は10年・10万kmで寿命」なんて常識は存在しません。むしろ、海外では「10年・10万kmならまだまだ走る」という風に認識している国が多いです。

実際、私がアメリカに行ったときにも古い日本車が元気に走っている様子をよく見かけました。10年前の車種もたくさん走っていましたし、もう日本では見なくなったような古い車種であっても、修理されながら現役で使われていました。

また、私の友人が乗っていた車も発売当時から10年以上(距離も10万km以上)経っていましたが、エンジンは全く問題なく稼働していました。劣化によって交換が必要になった部品はありましたが、それはゴム類などの安価な部品でした。

友人が乗っていた「ホンダ トルネオユーロR」

既にガタがきている、壊れ始めているなら乗り換えたほうがいい

ただし、あなたの愛車が既に不調を抱えている、またはガタがきている場合は乗り換えを考えたほうがいいです。

部品が消耗するのはある程度仕方ありませんが、エンジン周りや駆動系(動力を伝える部分)などの重要部品の修理・交換が必要になると大きな修理費用が発生します。また、このような重要部品が壊れたということは車にガタがきている証拠でもあります。

特に、軽自動車は元々の設計からどうしても寿命が短くなりがちです。出力が少ないため、普通車に比べると大きくアクセルを踏み込む必要があるからです。常に負荷がかかっていることになるため、それだけエンジンの寿命は短くなります。

実際、知人の自動車パーツ販売業者の方に話を聞くと「軽自動車のほうが寿命が短い分、修理パーツが良く売れる。だから今は軽自動車のパーツをメインに取り扱っている」といいます。

以上のことから、エンジン周りや駆動系などの重要部品の修理が必要になった場合は、車を乗り換えてしまったほうが得策だといえます。

目安としては、修理費込みで車検代が30万円以上かかるのなら乗り換えを考えましょう。修理してもまた次回どこかが壊れる可能性を考えると、乗り換えてしまったほうが結果的に得です。また、故障の不安を抱えて運転するのは精神的に気持ちのいいものではありません。

まとめ

今回は、「車検と乗り換えにかかるコストの比較」と「車を乗り換えるタイミング」について解説してきました。

乗り換え年数が早いほど年間あたりのコストは高くなりますし、車検にかかる費用と乗り換えにかかる費用を比較しても、後者のほうが高額です。

車検をきっかけに車の乗り換えを考えるのは当然のことですが、経済的な面から言えば車検を通して乗り続けたほうが得だといえます。

しかし、あなたがいま乗っている車が維持費の高い車であったり、既に不調であったりする場合には、車を乗り換えたほうが精神的にも経済的にもいいでしょう。

今回の解説を参考にコストシミュレーションをし、車を乗り換えるかどうかの判断に役立ててください。


私が車を買い替えるとき、必ず行うことは一括査定によるネットからの一括見積もりです。一社だけでなく、何社もの見積もりを競争させることで中古車の下取り価格が高額になるからです。

一社だけの見積もりに比べて、複数の見積もり査定をすることで車の買取額が15~30万円ほどアップするのは普通です。

ちなみに、私が一括見積もりしたときは買取額が41万円も上がったことがあります。ネット見積もりの方法を他の人に伝えたところ、「3社から依頼があり、競争させたら買取額が14万円も上がった」「ディーラーからの下取り価格よりも23万円高くなった」など喜ばれるようになった経緯があります。

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